白毫寺の家

新しい玄関に庇が取り付けられました。溶融亜鉛メッキ処理を施したスチール製の薄い庇です。鉄は塗装などの皮膜が無いと、雨や湿気ですぐに錆びます。錆止め目的に塗装も可能ですが耐久性が低いことと塗りムラにより部分的に錆が発生しやすいです。溶融亜鉛メッキは文字通り、溶かされた亜鉛に鉄をドボンと漬け込んで亜鉛皮膜を作り、弱点の二点をフォローできる優れた工法です。元来は外部に使用する鉄骨の構造材や、ガードレールや電柱などの土木資材として機能的に利用されるものですが、その姿がとても美しい。均一でない有機的な模様が気取らない機能美に感じるのでしょうか、とりわけ、初期の光沢がエイジングで艶なくなり落ち着く様は優美です。

↑写真は新しい玄関と庇、奥まで続く土間です。既設の住宅ではキッチンと勝手口に利用されていた位置を玄関にコンバージョン。地域に開かれる、バリアフリーな、居酒屋スタイル(笑)などなど、既存建物の骨格を生かし利用目的を達成させる課題をクリアすべく、新しい玄関の登場です。日々建具屋さんと協議を詰めた建具も楽しみです。

内部の木工事も大詰め。玄関をくぐると天井高さ3mを超える土間が続き、外観からイメージされる民間の空間らしからぬ、裏切るギャップが狙いどころで面白いです。既設の2階床梁はなるべく姿を見せ、この家が経験した歴史を視覚化しています。基礎、軸組(柱、筋交い、梁)を補強・修繕して耐震性を高めて熱環境と共に住まいとして性能を向上させています。古いもの、新しいものを意匠的、性能的に取捨選択するところが難しくも楽しくもあるのが改修計画だと感じています。

内装木工事終わると、漆喰工事が始まります。かなりの面積ありますが、お施主様がご友人と共にDIYでトライされます!お施主様DIYは私たちもご無理ない範囲でお勧めすることにしています。少しの範囲でも自身の手で作ることで、家に対する愛着は増します。少しの補修なんかもハードル下がります。同じ仕上ならプロより安いです。出来栄えは負けますが、それも含めて愛着ポイントに加算。熱中症に気を付けて頑張りましょう!

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