竣工後、久しぶりに訪問しました。とてもきれいに使われて、お気に入りの場所や収納の工夫など住まい始めてからの発見やキッチン廻りの使い勝手、ご家族の生活スタイルなど、設計中の想定や仮定との答え合わせをしながら、楽しく暮らされているお話を聞くことが出来ました。
旧家でご両親がコレクトされた旅のお土産(どれも素晴らしい異国の骨董や工芸品)や、お父様の画(とても素晴らしいペン画)など、思い出が綺麗にディスプレイされて上手く継承をされています。外構の塀や表札等、機能も生かしながら継承できる場面を探して設計を進めましたが、お住まい始められて改めて継承される精神を大切にされていると再認識できます。
話がそれますが、お父様のペン画が素晴らしく、テーマが「巨樹」でartとして着眼テーマとして共感でき過ぎて、思わずハウマッチと言いそうになりました。
図書にはびっしりと書籍が入り、これで本来の姿となりました。代々、本がお好きなご家族の課題となる本棚問題。書物は読むための機能ですが昨今はデジタル媒体も増えてきています。このような情報媒体の変貌時期でもやはり、手にもって読む行為は尊く、背表紙を並べた書棚はなにより心安らぐインテリアです。
照明器具はダウンライト+ペンダント照明を配置しています。写真はダウンライトOFF、ペンダント照明と自然光のみで、上段のダイニング写真と比較すると、かなり照度は低いです。落ち着いて本を物色し、手に取って好きな明るい場所に移動して読むので、ここでは背表紙が見える照度程度で十分、むしろその暗がりが本には優しく、空間に重厚感を持たせます。自然光も間接的な入り方で柔らかく変換された光が注がれます。
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