内装工事もひと段落、おおむねの作業が終了しました。内部建具か吊り込まれて空間を構成するパーツが揃います。
シナ合板のフラッシュ戸です。1枚の開き戸を除き、全て引き戸です。引き戸は引手や把手など、建具を引く動作の為に手で掴んだり引掛けたりする部位が必要になります。金属製や木製などの製品もありますが、左写真のように戸先に無垢材を仕込み、彫り込んだスリットで上下方向に長い「堀込引手」としています。戸先のどの高さでも操作しやすいユニバーサルデザインです。また、金属などの異素材や、半端な小さいサイズの引手だとやはり設置され「部品」に見えがちですので建具の一部と認識できるデザインとしています。
建具の仕上げはクリア塗装を基本とし、内装の造作材、特に階段室の本棚と色調を統一します。エントランスの土間空間には大きなガラス木製窓を主役とし、壁の白色近似を狙い、右写真のように建具は白色塗装の拭取り仕上としています。木目が残る浸透系塗料ですので、うっすらベージュのある白色がとてもきれいです。
キッチン前の壁や出窓内部の床壁天井の仕上げは、全てLDKのフローリングと同じ材料を選定しました。異素材や樹種の多様を楽しむケースもありますが、LDKは生活する上でテーブル、チェア、ソファ、食器食材、本、などなど、たくさんのアイテムで色とりどりに変化します。ですので、建築で作る段階では簡素美に舵を取り、床材のアッシュをベースに樹種材を限定して造作材を選定しています。これはライブラリーのある階段にも共通します。
キッチンの前に見える段ボールでぐるぐると大切に養生されているのは化粧丸太です。部屋に発生する柱は往々にして邪魔者扱いされる役目ですが、その存在をインテリアとして見せて、認めることも楽しめる部分です。垂直に延びる杉の丸太が力強い小屋梁・登り梁と上品なアッシュ材の造作たちをつなげてくれます。
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