art_scene

a_s(art_scene)は奈良の芸術文化発信地の地として、出会いの感動を紡ぐ場所として計画された小さなギャラリーである。町屋特有の間口の狭い短冊状の敷地で、新設の建物の他、既設の建物へのアプローチを確保しなければならないため、路地空間を軸としたと土地利用を考えた。道路側には開口は設けず建物への進入は路地空間に依存し、既設建物との関係を保った。外部空間に駐車場が必須の与条件であったが、まちの景観と馴染む石畳アプローチ、飛び石の様な八角形の洗い出しのある駐車場がギャラリーとしての個性を見せる作庭とした。

内部は3つのギャラリーで構成され、玄関を兼ねたギャラリー1は土間空間とし、他のギャラリーへの通過動線ともなる。壁や土間は黒色で他のギャラリーとコントラストをつけている。ギャラリー2は鏡板(老松)を正面に設定し、狂言やライブなどの動的なイベントの舞台にもなるメインギャラリーである。勾配なりに吹き抜けとなる天井は2Fとも連続し、演者の発する声や音が館内に響き渡り、フラッターエコーの無い良質な音環境を作っている。2Fにはギャラリー3を配置し、個室として貸し教室等のニーズに対応が可能。また、吹抜けに張り出したギャラリーは1Fイベント時の観覧席にもなる。

  • 施工:徳屋住建株式会社
  • 造園:土屋作庭所
  • 用途:美術館(ギャラリー)
  • 所在地:奈良県奈良市今御門町
  • 構造:木造
  • 規模:地上2階
  • 延床面積:67.23㎡
  • 竣工:2023年4月
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